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- WEBブラウザのトラッキング対策とAppleのITPアップデートによる影響の話の前にWEBブラウザのシェア率を知る
- WEBブラウザのトラッキング対策とAppleのITPアップデート
- AppleのITPアップデートによる広告メディアビジネスへの影響
WEBブラウザのトラッキング対策とAppleのITPアップデートによる影響の話の前にWEBブラウザのシェア率を知る
WEBブラウザのシェア率
まずは、どのブラウザがどれだけ強いシャアを獲得しているのかが気になり、世界のブラウザのシェア率について調べてみました。
Source: StatCounter Global Stats - Browser Market Share
こちらが2020年8月の世界のブラウザシェア率を表にまとめてみました。やはりChromeは強いですね・・・
一方、こちらは日本の8月のブラウザシェアです。やはりChromeはトップシェアを誇っていますね・・・しかし、面白いのは意外とSafariのシェア率が高くなっているということです。また、日本と世界を比べると、
WEBブラウザのトラッキング対策とAppleのITPアップデート
WEBブラウザのトラッキング対策
トラッキング対策の中で今回お話するものは、リダイレクトトラッキング(バウンストラッキング)です。
リダイレクトトラッキングとは、別称バウンストラッキングとも言いますが、ユーザーのサイト間の移動時に別のサイトを経由させ、ユーザーのブラウザに1st party cookiesを埋め込み、他サイト間の移動を追跡できるようにすることです。
このリダイレクトトラッキング(バウンストラッキング)をWEBブラウザが警戒し、規制を厳しくする動きが年々強まっています。この動きにより、データ活用に積極的なブラウザGoogleのChromeとパブリッシャーであるFacebook/Yahooと、データやプライバシー保護を優先したいMozillaのFirefoxとAppleのSafariとの意見の対立が起こったりします。WEBブラウザデベロッパーのアプリとウェブ向けのアンチトラッキング対策は度合いがそれぞれ異なるようです。
世界で約66%のブラウザシャアを誇っているGoogleのChromeは、SameSite cookieをサポートしているためリダイレクトトラッキング(バウンストラッキング)対策は必要ないとしています。
MozillaのFirefoxブラウザはと言いますと、2020年の8月中旬ごろ配信のニュース記事に、リダイレクトトラッキング(バウンストラッキング)をブロックする方法を導入したとのことです。
アンチトラッキング機能としてITP対策は、広告主やパブリッシャーがWEBサイトやアプリでのユーザー行動履歴などの情報の追跡制限をすることによって、ユーザーのプライバシーを保護する目的としてAppleが2018年に開始しました。また、2021年度初めに延期されましたが、ITP対策のアップデートを実施すると言っています。
AppleのITP導入の歴史
2017年頃およびiOS11からAppleは、ITP規制強化を実施してきています。そのため、各広告メディア媒体やパブリッシャーはITPアップデートが行われるたびにITPへの対抗措置を取ってきたというわけです。
また来年初め頃を予定する最新のITPアップデートのアナウンスにより、AppleのiOS 14とmacOS 11では、プライバシーの新機能に①プライバシーレポートの追加②3rd party Cookieの全ブロック➂Storage Access APIを実装すると言っています。
Added a Privacy Report that shows the trackers that Intelligent Tracking Prevention prevented from accessing identifying information.
Enabled full third-party cookie blocking, and the Storage Access API in Private Browsing mode.
Source:Apple Developer Documentation
この「Storage Access API」とは何かといいますと、例えば自身のブログサイト(
1st party)にSNSや他サイトの「イイネ」や「星マーク」のボタンを設置して、ユーザーがボタンをクリックすると、SNSや他サイト(3rd party)が3rd party Cookieを発行して、このユーザーからボタンが押されたという情報を保存しておく等、ある一定のアクセスが必要な場合に3rd party Cookieの利用を可能にすることが出来るのです。
AppleのITPアップデートによる広告メディアビジネスへの影響
AppleのITPアップデートによる広告メディアビジネスへの影響
各広告メディア会社ならびに、広告掲載やデータ分析をしている企業や個人事業者にとって、今回のAppleのITP対策アップデートの影響は大きいでしょう。今回予定のアップデートであるITPにBounce Tracking Protection機能の搭載やIDFAがデフォルトオプトアウトへ変更に伴う広告メディアビジネスへの影響は以下の事が考えられます。
・計測可能なコンバージョン(CV)数の減少やアプリインストール計測の精度低下等、取得できるデータ量が減り、ターゲットの推定精度や広告配信精度が低下の可能性
・リターゲティングリーチ蓄積が不可能
通常の広告配信の仕組み
広告配信において要となるコンバージョン(CV)やリターゲティングですが、ITPアップデートの影響で、何も対策なしにはコンバージョン(CV)測定不可能になったり、リターゲティングするためのデータ量が不十分でなくなる可能性が高いです。
では、ITPが反映されていない通常の広告配信とは何なのかを記述します。
以前「Cookieとは」でCookieと1st party Cookie/3rd party Cookieについて記載しましたが、例えば図のようにCompanyAのWEBサイトページ内に別会社CompanyBの広告が貼られ、ユーザーがコンバージョン(CV)まで至ったと仮定すると、「CV情報」と「Cookie」はどのように運ばれ計測されるのでしょう・・・
①ユーザーがCompanyAのWEBサイトへアクセス
⇒ここで「3rd party Cookie」が発行管理される
②CompanyAのWEBサイト内のCompanyBの広告をクリックするとCompanyBのLPページ(WEBサイト)へ遷移する
⇒ここで「1st party Cookie」が発行管理される
➂ユーザーがCompanyBのLPページ(WEBサイト)内で好みの商品やサービスがあり購入やお問い合わせ等するとCVページへと遷移する
⇒ここでCookieに「CV情報」を記載する
④「CV情報」が「1st party Cookie」と「3rd party Cookie」と一緒にCompanyA(もしくは計測ベンダー)のサーバーへと送信され、サーバーで情報の整理もしくは他のデータとの組み合わせによって、リターゲティングやコンバージョン測定・分析を行う
AppleのITPアップデートによる広告配信への影響
リダイレクトトラッキング防止策によって、コンバージョン(CV)測定やリターゲティングに使用されるCookieデータの数を十分に集めることが出来なくなるがため、計測結果やターゲティング精度の低下を導いてしまうのです。
ITPの規制によってCookie情報では正確にデータの取得が不可能となってしまったので、広告メディア会社やパブリッシャーは対策としてオーガニック検索や多媒体からの流入の場合も、リダイレクトを利用して3rd party cookieのブロックを回避することでリターゲティング情報を収集していたのです。
しかし、MozillaのFirefoxやAppleのSafariはこの事実を把握していたため、リダイレクトトラッキング防止策を実行しユーザーのプライバシーを守ると宣言し続けているのです。
AppleのITPアップデートへの対策措置
WEB広告業界やデータ収集/分析を行う企業および個人事業者のITP対策への対抗措置としては、ざっくりと以下が考えられます。比較的容易に対策導入できるものもありますが、安定して広告運用をしていくためには専門業者に依頼したり、代替策を考える必要があります。
・他OSAndoroid/Windows10/FireFoxOS/BlackBerryOS等のデータでiOSデータをカバー
・IPアドレスでコンバージョン測定を行う(ただwifiベースのため正確に計測可能か不明)
・Cookiesの代わりにLocal Storageの利用
・リターゲティングの代替提案として他ターゲティングへのシフト
・リーチ集計方法の変更