今回のiOS14リリースは今年の秋頃を予定しているようですが、そのアップデートにより何も対策なければ顧客データを追跡できなくなってしまうそうですが、広告メディア業界にとっては大きな影響となります。
2020年9月5日時点のアップデート!!
Appleは今年の秋頃リリース予定していた新たな基本ソフトであるiOS14と同時に追跡型広告制限(ユーザデータの追跡制限)を実施する予定であったが、デベロッパーに対して、今回のアップデートへの対応への時間的猶予を与えるとして、2020年まで延期すると発表したそうです。
米アップル、広告向けプライバシー保護強化を来年初に延期(ロイター) - Yahoo!ニュース(2020.09.04配信)
ネット広告業界やIT業界に限らず、最近はデータドリブンな世の中になってきました。前回の記事でも主に顧客データを取り扱う管理システムについて紹介しております。以下良かったらご覧ください。
IDFAとは
IDFA (Identifier for Advertisers)とは、iOSの広告用識別子のことで、Appleユーザーの端末に振り分けられたIDです。広告主やプラットフォーマーはこのIDを使用して広告クリック数やフリークエンシー等のユーザーエンゲージメント指数や、アプリ内のユーザー行動履歴を計測し分析することで、ターゲットを絞って広告を配信することが可能になります。
iOS14アップデートとは
iOS13以前は
iOS13以前はIDFAがデフォルトでオプトイン、つまり追跡型広告制限を初期設定時でオフ(除外)となっていましたので、ユーザーの同意なしにユーザーの追跡および広告識別子へのアクセスが可能でした。
これがiOS14での仕様はどうなるのかというと…
iOS14では
iOS14ではIDFAがデフォルトでオプトアウト、つまり追跡型広告制限を初期設定時でオン(適用)となれば、予想では9割以上はオプトアウトのままと考えられます。iOS14やiPadOS14のシリーズではApp Tracking Transparencyフレームワークを使用して、ユーザーから追跡の有効許可を得ないと、デバイスの広告識別子の値はすべてゼロとなり、追跡および広告識別子へのアクセスはできません。
強気なAppleならではですが、ユーザーにとってブラウザが無料で使用できるのは広告のおかげであるわけであって…
Appleの発言
AppleのJohn Wilander on Twitter何と言ってる!?
2020年6月22日のJohn WilanderのTwitterでの投稿です。
"With iOS 14, iPadOS 14, and tvOS 14, you will need to receive the user’s permission through the AppTrackingTransparency framework to track them or access their device’s advertising identifier." https://t.co/lzj7DYQd2G
— John Wilander (@johnwilander) June 22, 2020
トラッキングのドメインと人気のあるメディアドメインを同一で運用する事業者(例えば、GoogleやYahoo)に対する対策を示唆しています。その理由は、そのようなドメインではITPが無効化され得るからです。
IDFA規約では、以下のようにAppleは広告配信においてIDFA以外のID利用は不可としています。そのため、iOS14ユーザーのオプトアウト設定したとすると、IDFAが0000-0000-0000-0000となり追跡することが出来ません。現段階では、9割程がオプトアウト設定のままiOSを利用するのではないかとの推測されてます。
The Advertising Identifier (IDFA) is a unique ID for each iOS device and is the only way to offer targeted ads. Users can choose to limit ad targeting on their iOS device.
大手ネット広告会社(広告業界の動向)への影響は!?
1、IDFAの利用がデフォルトで不可に
IDFAオプトイン必須化となることで、もともとは影を潜めていたOS設定画面の追跡型広告制限のオン設定(適用)率が数パーセントだったにも関わらず、オプトインの許諾を得ることが必須になってしまった。
2、ITPがアプリ内WebViewにも適用
WebViewへのITPが適用されITPの適用範囲拡大します。アプリ内WebViewとは、アプリの中でWEBサイトを表示させる機能のことで、iOSアプリ内でSafari以外のアプリのWEBサイト表示している場合はほとんどがWebViewを搭載しています。以前はITPはSafariブラウザのみに適用されていたが、今回のアップデートでiOSアプリ内のWEBブラウザ全てに適用されるようになるそうです。
3、BounceTrackingProtectionの影響
BounceTracking(バウンストラッキング)とは、サイト内のリンククリック時にリダイレクトによるトラッキングのことで、これが今回のアップデートによりWEBメディア等の事業者が用いていた一部のタグ機能が無効化になってしまうのです。BounceTrackingProtectionの影響でSameSite=strictとなり、クロスドメイン(cross-site sharing)が機能しなくなってしまいます。 例えば、Yahooのメディアコンテンツ面ではユーザーが一旦ログインしたとしても、Yahooアプリから離れてしまえば、再度外部からの流入した場合にstatus=not loginの状態になってしまうのです。
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