メトラー・トレドの前身!?計量計測器・はかりの会社のお話:Honest Weight The Story of Toledo Scale by Bob Terry【英語書籍紹介】

英語本:Honest Weight The Story of Toledo Scaleの構成

Honest Weight The Story of Toledo Scale【電子書籍】[ Bob Terry ]

 

Contents

ACKNOWLEDGMENTS

PROLOGUE

PART I

Theobald

CHAPTER 1

”I just got fired!”

CHAPTER 2

Patterson Makes an Offer

CHAPTER 3

Down Weight

CHAPTER 4

”The public is being robbed.”

CHAPTER 5

NO SPRINGS—HONEST WEIGHT

CHAPTER 6

The 100% Club

CHAPTER 7

Two Pounds of Gold

CHAPTER 8

”There’s a submarine on our port bow!”

CHAPTER 9

”As a friend, you were loved.”

PART II

Bennett

CHAPTER 10

A New Owner

CHAPTER 11

New Inventions—New Companies

CHAPTER 12

Rattlesnake Island

CHAPTER 13

Plaskon

CHAPTER 14

The Daily Express

CHAPTER 15

AeroCars and Weldwood

CHAPTER 16

A New Plant

CHAPTER 17

World War II

CHAPTER 18

Transition

PART III

Mcintosh

CHAPTER 19

A New Leader

CHAPTER 20

Golden Anniversary

CHAPTER 21

Electronic Wings

CHAPTER 22

Haughton Elevator

CHAPTER 23

More Systems

CHAPTER 24

Sales Meetings Resume

CHAPTER 25

”I’ve sold the company.”

CHAPTER 26

Strike!

PART IV

et al.

CHAPTER 27

Leadership Changes Again

CHAPTER 28

”Over a million dollars a year!”

CHAPTER 29

Patents and Innovations

CHAPTER 30

Masstron Scale Company

CHAPTER 31

Exxon Buys Reliance

CHAPTER 32

Toledo Buys Masstron—Ciba-Geigy

CHAPTER 33

”Toledo Scale doesn’t exist any more!”

CHAPTER 34

The Antique Scale Market

CHAPTER 35

Moving On

出典書籍:Honest Weight The Story of Toledo Scale【電子書籍】[ Bob Terry ]

英語本:Honest Weight The Story of Toledo Scaleのレビ

ュー・感想

もともと、はかりや計量計測の会社について詳しくなかったのですが、「Honest Weight The Story of Toledo Scale」を読んだ後、はかりの世界に引き込まれていたことに気づきました。当時の出来事の情景を思い浮かべながら読み進めることが出来たので、英語で書かれていても、私にとって、とても容易で理解可能な内容でした。この書籍に辿り着いたのは、私のパートナーの言葉のおかげです。以前、scale/weight/weighの意味の違い・英文例というタイトルの記事を書いたのですが、英単語「scale(はかり)」の意味の理解を深めるために、私のパートナーに「scale(はかり)」で連想するモノは何か?と聞いたときに、計量計測の秤で世界的に有名な会社「メトラー・トレド」のことを例に挙げて教えてくれたのです。そこから、インターネットなどで調べている中で、「メトラー・トレド」の前身に値する会社「Toledo Scale」の存在をしり、この本と出合いました。今では当たり前のように日常でよく目にする体重計や台所用の秤などの「scale(はかり)」ですが、その会社やそのプロダクト、そして関連する体制が整い繁栄するまで、実は長い道のりを経ているのです。「scale(はかり)」だけではなく様々なプロダクトが、姿かたちを変えながら、より私たちの身近な存在となり、必要不可欠なものへと今もこれからも変化していくという事実を、改めて考えさせられました。この本では、リーダーや従業員たちがどのようにして、社会を巻き込みながら、一つの会社を繁栄させていくのか、と言った生きた会社の実態を知ることができますし、この筆者の執筆手法により、会社で働く人間たちと関係者のヒューマンドラマを見ているかのようでした。この本に「ACKNOWLEDGMENTS」や「PROLOGUE」がありますが、必ず一読してください。「ACKNOWLEDGMENTS」では、筆者の思いや経緯、謝辞が述べられています。また、「PROLOGUE」では、Henry Theobaldの元上司であるJohn Pattersonの動向が書かれています。第一章へと繋がりますので、先に読んでおくことをお勧めします。一つ一つの会社のバックグラウンドを見てみると随分と奥が深く、まだまだ私の知らない世界がたくさんあることに気づかされました。

英語本:Honest Weight The Story of Toledo Scaleの前知識(本を読む前のTips)

ここでは、倍以上にこの本を楽しんでいただくため、基礎的知識として知っておくべき情報をお伝えします。あくまでも、個人的に調べた情報を自己解釈しつなぎ合わせた内容になりますが、これらの前知識を持った上で読むと、本の理解がより深まります。本を手に取りお読みいただく前に、ぜひ以下をご一読ください。

 

この本は、簡潔に言うと、計量・計測の世界的に有名なメトラー・トレド(Mettler-Toledo)の前身とも言える、「Toledo Scale」のお話です。

 

まず、メトラー・トレドとは、どのような会社なのでしょう?公式ホームページおよびWikipediaによると、メトラー・トレドは、スイスに本社があり、計量器や分析機器の製造販売をグローバルに展開している企業です。米国、ドイツ、イギリス、スイス、中国に製造工場があり、その製品およびサービスを世界100 カ国以上に提供しています。

 

では、一体メトラー・トレドがどのようにして現在まで繁栄してきたのでしょうか?そのルーツを辿っていくと、「Toledo Scale」の存在があったのです。Allen DeVilbissは、アメリカ合衆国オハイオ州にある都市トレドの発明家でした。(余談ですが、トレドは、アメリカ合衆国オハイオ州北西部にある工業都市で、オハイオ州の中では、コロンバス・クリーブランド・シンシナティに次ぐ第4の都市なんだそうです。)実は、ばねなしの振り子秤を開発したDeVilbissは、自動化された秤の開発をするのですが、それらを成功ビジネスにしたがらなかったのです。その頃、Henry Theobaldは以前勤めていた会社National Cash Register Company(NCR)を解雇されて、独自のビジネスを始めていました。これからは自動計算秤がいい商売になると思ったTheobaldがDeVilbissから会社を買収した後、1902年5月までに月に100機ものはかり付きレジを販売するほど、彼のビジネスは軌道に乗り始めていました。しかし、NCRの元上司はTheobaldの会社が特許権を侵害していると脅し、結局、TheobaldはCash Registerビジネスを手放してしまったいます。そのようなこともあり、彼は会社の名前を"Toledo Computing Scale Company"へ変更するのです。後に、新たなスタートを切った会社のスローガンを"No Springs, Honest Weight"にしたのでした。消費者と商人の小売り取引で、計量器が大切な役割を担うと気づいたTheobaldは、多くの同業他社の売人が消費者を騙して取引をしていることに疑問を持ち、このような不正な計量システムを終わらせ誠実な計量取引を、と政府に訴えかけるのです。1907年10月1日に、マサチューセッツ州はアメリカで初めて計量計測に関する法律を採用するに至りました。・・・

 

このような出来事は、会社のごく一部の歴史にしかすぎないですが、私はこれらの事実のおかげでこの本を飽きることなく読み進めることができました。

英語本:Honest Weight The Story of Toledo Scaleの概要・あらすじ

Honest Weight The Story of Toledo Scale【電子書籍】[ Bob Terry ]

 

電子書籍「Honest Weight The Story of Toledo Scale (Bob Terry) 」の物語は、20世紀ころの計量計測はかりの会社「Toledo Scale」の事実に基づくお話です。Henry TheobaldがNational Cash Register Companyから解雇されたところから始まり、メトラー・トレド(Mettler-Toledo)に合併されるまでの間、不誠実な取引と戦いながら「誠実な取引を」と訴え続け、様々な葛藤と向き合ってきた開発者やリーダー、職人たち、技術的な躍進を遂げた会社「Toledo Scale」の生きたお話になります。

 

以下、概要(英語)の一部を抜粋しました。

Honest Weight is the 20th century story of Toledo Scale, beginning with their fight in the first decade for weights and measures laws to outlaw dishonest scales.

In narrative form, it tells the living history of the company, beginning with the founder after he was dramatically fired by National Cash Register Company. Henry Theobald then started a scale and cash register company to compete with his old boss, the legendary John Patterson of NCR.

It’s the story of the inventors, leaders, craftsmen and technical breakthroughs, beginning in the first year of the 20th century up to current times. Included is the story of the innovative sales techniques developed by Theobald that led to tight-fisted merchants being willing to spend four and five times as much for a Toledo “No SpringsーHonest Weight” scale than for the scale it replaced. This led to Toledo becoming the best known scale brand in the nation.
・・・
And finally, the human story that resulted from the evolution of several different ownership’s is told, until just a few years ago, Toledo Scale disappeared as a separate brand and was merged into Mettler-Toledo, Inc.

出典書籍:Honest Weight The Story of Toledo Scale【電子書籍】[ Bob Terry ]

日本を含む各国は法により計量制度が定められている?

Henry Theobaldも、商人による不誠実な計量を撲滅させるため誠実な計量を訴えた人のうちの一人です。そんな声がある中、1907年10月、マサチューセッツ州はアメリカで計量計測に関する法律を採用しました、と先ほどの前知識のパートで記載しましたが、私自身、そもそも「計量計測に関する法律」って何なんだ?と疑問に思いましたので、もう少し詳しく調べてみることにしました。

計量法と計量制度

実は、日本では、「計量法」と言う法律があるのです。その日本の「計量法」に値する法律が多くの諸外国にもあります。アメリカでは「Weights and Measures」、
中華人民共和国では「Metrology Law of the People’s Republic of China (2018年修正)」、韓国では「Measures Act(2017版)」と英語で呼ぶそうです。

 

日本の経済産業省では、計量法(平成四年法律第五十一号)の目的は以下であるとしています。

第一章 総則(目的)第一条 この法律は、計量の基準を定め、適正な計量の実施を確保し、もって経済の発展及び文化の向上に寄与することを目的とする。

 

日本の計量計測機器関係企業および団体からなる総合団体の一般社団法人、日本計量機器工業連合会は、日本の計量制度の概要としくみを公式ホームページで以下のように述べていました。

1.計量法
1-1.概要
 計量に関する法律は、計量制度と普遍的なつながりがあり、多くの国々において何らかの形態で法規則が制定されている。(省略)
 日本の計量制度は、「計量法」という法律に基づいて確立されており、その歴史は、約 1300年前の西暦 701年(大宝元年)の大宝律令に始まったとされる。
 近代的な計量制度の基礎は、 1891年(明治 24年)に制定された「度量衡法」によって確立された。(省略)

計量法の大きな特徴は、国際化対応として法定計量単位の SI化、計量標準供給のための計量器の校正・認定事業者制度、指定製造事業者制度及び指定機関制度(指定定期検査機関及び指定計量証明検査機関)の新設である。

計量器の証印

他にも、興味深い事実を発見しました。それは、私たちが日常使っている燃料油メーターやタクシーメーター、血圧計などの計量器にも証印というものが付与されているという事実です。その検定を行っている機関の一つが、東京都計量検定所です。

 

この機関によると、

計量法に定められた「特定計量器」は、都道府県や国等による法令への適合検査(検定)に合格後、取引や証明に使用することが可能となり、この検定に合格した計量器には、検定証明が付与される。

とのことでした。

 

適切な計量の供給および維持、正しい計量の実施を確保するために設置された計量行政機関は、いわゆる私たちが公正な取引を行えるように見守ってくれる団体と考えられるでしょう。

 

では、検定・検査に合格した計量器に付与される証印の種類はどのようなものがあるのでしょう。これらの例として、取引・証明に利用するはかりやガスメーター、水道メーターなどの特定計量器には「検定証印」、タクシーメーターに義務付けられている「装置検査証印」、一般家庭で健康管理や調理等に使う台所用秤やヘルスメーター、ベビースケールなどの家庭用特定計量器へは「基準適合マーク」が証印に該当します。

 

証印の種類一覧

  • 検定証印
  • 基準適合証印
  • 装置検査証印
  • 基準適合マーク
  • 定期検査済証印
  • 計量証明検査済証印
  • 基準器証印
  • 特殊容器の表示

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